透析コラム
Column
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「透析治療をすると、身体がだるくなる」
「電解水透析は、他の透析治療とどう違うの?」
腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態を腎不全といい、10%未満になると透析治療か腎移植が必要となります。透析治療には、血液透析や腹膜透析があり、どちらも生命維持に欠かせませんが身体に大きな負担がかかります。
近年では、学会などでも水素水を用いた電解水透析が大変注目されており、これを導入する医療機関が増加傾向にあります。
電解水透析は、透析後の疲労感の軽減に効果的なだけでなく、動脈硬化や血管合併症を予防する効果も期待されます。
今回は、電解水透析に使用する水素水についてや、電解水透析を選択するメリットについて解説します。
水素水とは、「水素を含んだ水」のことです。
ドラッグストアなどで販売されているペットボトルやポリタンクといった容器入りのタイプは、ほとんどの場合、原水に処理を施して水素を含ませたものです。また、マグネシウムのスティックをペットボトルに挿入して水素を発生させるタイプのものや、整水器を使用して水を電気分解するものもあります。
水と水素水の違いは、溶けこんでいる水素分子の量にあります。しかし、水素水の実際の水素分子の量には各メーカーで違いがあります。また、水に溶けこんだ水素分子は、開封とともに少しずつ抜けていく性質があります。
コップに注ぐと、おおよそ1時間で水素濃度が半分ほどになる製品も。そのため、飲用水として利用する場合には、開封後にできるだけ早く飲み切ることが推奨されます。
水素水の中でも、整水器を使用して水道水を電気分解して陰極側に生成されるアルカリ水を「電解水素水」と呼びます。電解水素水には、他の水素水とは異なる下記のような特徴があるため、確認していきましょう。
水道水を電気分解すると、水素の発生と共に水酸イオンが生成されます。そのため、電解水素水はアルカリ性になります。
水を電気分解すると、
などのプラスイオンに分類されるミネラル類が、陰極側に集まります。水質によっても違いが出てきますが、電解水素水は原水と比較して5〜20%多くミネラルを含んでいます。
血液透析とは、体外に排出した血液を特殊なフィルターで濾過し、老廃物や不要な水分を除去する治療法です。水や物質の移動を行い、毒素を除去する原理は「限外濾過と拡散」と呼ばれています。
限外濾過とは、透析器(ダイアライザー)で血液に圧力をかけて、余分な塩分や水分を除去することです。そして、拡散とは、血液の濃度を一定に保つ原理をいいます。
透析液には、
などの成分が含まれています。
透析液は、血液中の塩分や水分といった老廃物を除去するだけではなく、血液中の電解質濃度や、酸とアルカリのバランス調整の役割も果たします。
血液透析では、ダイアライザーを介して血液側から透析液側へと成分が移動していき、血液が徐々に浄化されます。同時に、透析液側から血液側にも同じ作用が働き、血液の状態を正常値に近づきます。
血液透析と水は、切っても切り離せない関係にあります。血液透析を行うため透析液を作成するには、原液の薬剤を浄化された水でおおよそ34倍に薄める必要があります。1回の透析で120〜150Lの透析液を使用します。
地震や災害が発生して十分な水が確保できない場合、血液透析は実施できなくなります。4時間の透析で1人の患者が必要とする水の量は500mlのペットボトルで約240本分です。また、水を処理する工程で約6,000Lの大量の水が必要です。
電解水透析とは、水を電気分解して生成した電解水素水を使用する透析療法のことです。電解水素水に含まれる水素は、抗酸化機能を持つとして腎不全の治療に注目されています。
透析治療で起こりやすい心臓や血管などの血管合併症は、血液の酸化ストレスと炎症が原因となりますが、電解水素水を使用することでこれらが抑制され高い予防効果があります。臨床導入されてから15年が経ちますが、明らかな人体への悪影響やデメリットなどは報告がありません。
電解水透析は
といった体調面での変化が報告されています。
また、電解水透析中の低血圧が起こりにくく、心機能の数値が基準値内へ近づくなどのメリットもあります。
血液中の数値に関しても
などが確認されています。
さらに、電解水透析を5年間観察した調査では、死亡や心脳血管疾患の発生リスクが一般的な血液透析と比較して、おおよそ41%低い結果も報告されました。
電解水透析後にすぐ実感できる違いは、透析後の倦怠感です。
血液透析を受けると、血液中の白血球が破壊されて活性酸素が発生します。活性酸素は、特に血管にダメージを与えます。傷害を受けた血管は動脈硬化を来し、やがて全身の臓器の老化が促進されることになります。
しかし、電解水素水に含まれる水素が血中の活性酸素を取り除くため、血管へのダメージが軽減されて血圧も安定し、老化が抑制されます。
透析治療は、腎不全の方にとって生命維持と生活の質を高めるために必要な治療法です。
電解水透析は、身体にかかる負担も少なく合併症も防げるため、活性酸素にさらされる腎不全患者に最適な治療方法と言えるでしょう。
公式サイト | https://tokyo-nephro-clinic.com/index.php |
透析可能時間 | 8:30~23:30 |
休診日 | 日曜日 |
住所 | 東京都豊島区駒込3-3-19 ORCHID PLACE 7階・8階 |
電話番号 | 03-3949-5801 |
アクセス | JR山手線「駒込駅」北口、東京メトロ南北線「駒込駅」5番出口すぐ |
東京ネフロクリニックでは、2023年4月に最先端技術の「電解水透析システム」を導入しました。従来の透析治療では難しいと考えられていた、自覚症状と合併症を改善できる注目の透析治療です。
専門医による腎移植や再移植の相談や、移植後に再び人工透析が必要となった患者さんのサポートにも取り組んでいます。腎移植を実施している東京女子医科大学病院やその関連施設と連携しています。
また、JR山手線と東京メトロ南北線「駒込駅」から徒歩わずかと、通院しやすい環境も特徴の1つです。他医で腎臓病と診断された方の相談も受け付けておりますので、腎臓治療でお困りの際には東京ネフロクリニックにご相談ください。