透析コラム
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人工透析は、体内から老廃物や水分を排出する一方で、身体に必要な栄養素やエネルギーも消費する治療方法です。
また、水分が除去されるため、脱水状態となるケースもあります。脱水状態では血圧が低下し、透析後に疲労感を感じやすくなります。人工透析を辛く感じる理由は他にもありますので、一つ一つ見ていきましょう。
血液の浄化を行う人工透析は、血液を体外循環させる治療方法のため、想像以上に身体に負担がかかります。加えて、 体内に蓄えられたエネルギー消費にも繋がるため、ベットに横になりながら透析を受けていても、治療後に疲労感やだるさを感じることが多いです。また、透析直後は除水された後なので、血圧が下がりやすいです。低血圧は自律神経を乱し、身体のだるさを自覚させます。
通常は週3回の通院透析を行います。一般の人が他の病気で外来通院する回数よりも何倍も多く通わねばなりません。透析患者は透析そのもので体調がすぐに良くなるという実感はなく、むしろ倦怠感など不快な思いをすることが多いです。そのため、通院そのものに精神的ストレスを感じる患者も多いのです。頻回の通院は肉体的にも精神的にも負担になるのです。
週3回の透析治療の場合、一般的な治療時間は4時間です。透析のために4時間も片手を動かせない状態で過ごすのは、慣れるまでは苦痛に感じるでしょう。また、透析中に透析のことばかり意識してしまう患者は無為な時間を過ごしているように感じるでしょう。このような性格の患者さんは、例えテレビや本を見ていてもリラックスできません。他の患者さんよりも透析の時間を非常に長く感じ、辛さが増します。
塩分やカリウムの制限など、毎日の食事も大切な治療の1つです。主治医や管理栄養士の指導を受けながら、調理法や食べ方などを工夫することも大切です。
食事制限は、好き勝手に食事を行えなくなるため、治療と同様に辛さを感じやすいです。特に、糖尿病性腎症の方はそれまでの食習慣と大きく変わりますから、食事制限はストレスになるでしょう。
透析日が3日以上空くと、水分や毒素が体内に蓄積されるため、体調不良を引き起こします。そのため、旅行や出張の際には、透析治療を受けられるように、人工透析に対応した医療機関を探す必要があります。
また、スムーズに人工透析を受けるためには、主治医に紹介状や診療情報提供書の依頼が必要です。そのため、自分の意志で自由に行動することを諦めるようになる方もいます。
透析後の辛さを和らげるコツとして、基礎体力の向上と体重コントロール、そして意識改革が挙げられます。
毎日30分以上の歩行をしている場合には、運動をしない透析患者様と比較して、疲労感が少なくなることが分かっています。
人工透析後の疲労感を和らげるためには、基礎体力の向上が有効です。定期的な散歩は、筋力や心肺機能の向上を促し、基礎体力を高めるのに役立ちます。安易に送迎車を利用するのはかえって良くないこともあるのです。
次の透析までの間に急激な体重増加がみられる場合には、除水量が多くなるために脱水状態となり、しんどさを引き起こします。
まずは、水分や食事量に注意して、体重の増加を適切な範囲内で保つことが大切です。次の透析までの体重増加率は、中1日は3%以内、中2日は5%以内が理想とされています。主治医と相談して、適切な目標を設定しましょう。
ドライウェイトとは、体内の水分が適正な状態を指します。ドライウエイトを設定する際には、浮腫みや血圧を確認し、胸部レントゲンで心臓の大きさや胸水の有無を調べます。ドライウェイトは常に一定ではなく、身体の状態によって変化します。そのため、ドライウェイトが低く設定されていると、疲労感やだるさに影響が出やすくなります。
主治医との診療時に、定期的にドライウェイトの見直しを受けましょう。
野菜にはカリウムが多く含まれているため、食事制限をすると食物繊維を十分に摂れなくなります。加えて、透析治療で多くの水分を排出するため、便秘を発症しやすくなります。便秘薬を適宜使用することも大切です。
可能であれば、毎日決まった時間に排便する習慣を身につけましょう。
自分がなぜ透析を受ける事になったのか?患者さんの中には自分を責める傾向の強い方がいます。自分が何か悪いことをしたから透析になったと考えるのです。しかし、慢性糸球体腎炎など多くの原疾患が原因不明であり、自分の責任ではありません。また、いくら過去を反省しても、透析が要らなくなるわけではありません。過去の腎不全のなかった頃のことばかり考えていると、なぜ自分が今不幸なのかと思いがちです。
変えられない過去のことを考えるのは控え、未来のことを考えましょう。透析をしていても、夢は叶います。これから自分が何をしたいのか。想像すれば、ほとんどのことは実現するものです。
人工透析後のしんどさを軽減するには、基礎体力の向上や次の透析までの体重コントロールが重要です。併せて、脱水しにくい身体づくりも行いましょう。ドライウェイトの設定が厳しく設定されていると、除水のしすぎで脱水状態になります。定期的な受診の中で身体の状態を細かくチェックし、透析治療後の辛さが続く際には、主治医に相談しましょう。
意識の持ち方も大切です。過去にとらわれずに未来志向でいきましょう。
東京ネフロクリニックは、患者さんの目線に立った医療を心がけています。患者さん一人ひとりの苦痛をなるべく減らすべく、スタッフ一同努力しています。
また、診療情報提供書があれば、旅行透析にも対応可能です。お仕事の都合で都内にお越しの際には、お気軽にご相談ください。
加えて、JR山手線「駒込駅」北口からおおよそ徒歩2分と、利便性も折り紙付き。専門医による腎移植の相談やアフターフォローも行い、人工透析を必要とする患者様のサポートに尽力しています。
公式サイト | https://tokyo-nephro-clinic.com/index.php |
透析可能時間 | 8:30~23:30 |
休診日 | 日曜日 |
住所 | 東京都豊島区駒込3-3-19 ORCHID PLACE 7階・8階 |
電話番号 | 03-3949-5801 |
アクセス | JR山手線「駒込駅」北口、東京メトロ南北線「駒込駅」5番出口すぐ |