透析コラム
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「今の透析は、本当に私の体にあっているの?」「最適な透析って何?」と悩む患者さんも多いでしょう。透析治療を受ける際は、患者さんのライフスタイルや希望に合わせて進めます。透析は、腎臓の一部の機能を補うために行う治療法のため、ほかにも食事や生活習慣を見直すことも大切です。
この記事では、最適な透析について解説し、注意点やおすすめのクリニックも紹介します。自分に合う透析療法を見つけたい方は、参考にしてください。
最適な透析法は何か?、という問いはとても難しい問題です。なぜなら、患者さんによって求めるものが異なるからです。ただし、医学的な観点だけから述べるならば、患者さんの寿命を伸ばすことが最適な透析法と呼べるのかもしれません。
透析患者さんの寿命を伸ばすためには、まずはその死亡原因を知ることが大切です。透析患者さんに特有の死亡原因がありますので、これらを予防することができれば、一般の方たちの寿命に近づけることもできるでしょう。
下のグラフは日本透析医学会が2023年に発表した日本人の慢性透析患者の死亡原因の推移です(透析会誌 56(12):473~536,2023)。感染症と心不全が2大原因となっており、特に感染症の増加が著しいことがわかります。この2つの合併症をきたす要因などについて、詳しく見ていきます。
その前に、現在考えられている理想的な透析とはどのようなものかを解説したいと思います。
腎臓は24時間休まず働き、体の水分や毒素や電解質などを適正なレベルに調整しています。人工透析はこれを代替する治療法ですが、完全には補完することはできません。そのため、飲水や食事内容に一定の制限が必要になってきます。特に、食事の制限は栄養不足になりがちでフレイルなどの原因となります。
よって、栄養をちゃんと摂る必要があるわけですが、尿毒素も増えてしまいます。尿毒素の蓄積は体のほとんどの臓器に傷害を与えますので、なるべく除去しなければなりません。より多くの尿毒素を除去するためには、いろいろな方法がありますが、透析時間を長くするのが一番効果的です。
最も一般的な血液透析は、週3〜4回、1回につきおおよそ4〜5時間の治療です。ですが、近年では腎機能と同等の透析を行うために、オーバーナイト透析や長時間透析のように、透析時間を長くする方法が注目されています。
「しっかり食べて、しっかり透析をする」。理想的な透析治療はこの言葉につきます。患者さん自身の希望や生活スタイルに合わせて、医師と相談した上で透析方法を決めるのが良いでしょう。
透析患者さんは、体内に蓄積した尿毒素や貧血などによって免疫力が低下し、感染症にかかりやすく、また治りにくい特徴があります。慢性的な栄養不足も免疫力低下を促進します。また、透析治療では血液や体液が人工物と接触するため、軽度の慢性炎症を引き起こし、免疫力を低下させます。さらに、血液や体液が体外の細菌やウイルスに暴露されやすいため、感染症にかかるリスクも高いのです。
皮膚や身体を清潔に保つことはもちろん、十分な透析治療と感染症を予防するためのワクチン接種を積極的に行いましょう。
腎臓病に罹患すると、尿が出にくくなります。そうすると、水分や塩分が身体に蓄積され、心臓に大きな負担がかかります。
心臓が働きすぎの状態となるため、機能低下を引き起こし、「心不全」を発症します。体の水分量を適正にするために、ドライウェイトを設定して毎回その体重まで水を引きますが、実は適正な水分量は体調に応じて変化します。そのため、しばしば水分超過になって心不全になることがあります。心不全を繰り返すと、心筋へのダメージが蓄積され、心機能は悪化していき、死亡に至ります。
加えて、透析患者さんは、「高血圧」や「糖尿病」に罹患しているケースも多く、「動脈硬化」が進行しやすい状態です。動脈硬化が悪化すると、「脳卒中」や「心筋梗塞」といった疾患を引き起こす原因になります。
腎不全に罹患すると、リンが排泄されなくなり、血液中に溜まることで「高リン血症」を発症します。その状態が長く続くと、リンとカルシウムと結合して、血管の壁や心臓の弁などに付着し、石のように硬くなります。
血管や心臓弁の石灰化により、「動脈硬化」が進行し、高血圧の原因となります。高血圧は動脈硬化を促進しますので、悪循環に陥ります。さらに、動脈硬化は「心臓弁膜症」から「心不全」を引き起こす可能性が高くなります。
腎臓では、赤血球を作る「エリスロポエチン」というホルモンを生成しています。エリスロポエチンが不足すると貧血状態になり、「疲労感」「動悸」「息切れ」「食欲不振」といった多くの症状が出現します。透析患者さんはほとんどの方が腎性貧血を有していますが、極度の慢性的な貧血は心拍数を増加させ、心臓に負担をかけます。やがて心機能が低下していくことになります。
東京ネフロクリニックでは、2023年4月に最先端技術である「電解水透析システム」を導入しました。透析液の中の水素が血液中の活性酸素を除去します。電解水透析システムは、従来の透析治療では困難とされていた、自覚症状と合併症を改善できる注目の治療方法です。オンラインHDFとの併用により、尿毒素の除去も効率的に行います。
公式サイト | https://tokyo-nephro-clinic.com/index.php |
透析可能時間 | 8:30~23:30 |
休診日 | 日曜日 |
住所 | 東京都豊島区駒込3-3-19 ORCHID PLACE 7階・8階 |
電話番号 | 03-3949-5801 |
アクセス | JR山手線「駒込駅」北口、東京メトロ南北線「駒込駅」5番出口すぐ |
管理栄養士を配属し、定期的な食事指導にも注力しています。JR山手線「駒込駅」北口からおおよそ徒歩2分と、通いやすい立地も特徴としておりますので、腎臓治療でお困りの際にはお気軽にご相談ください。