透析コラム
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「透析患者は障害年金の対象になるの?」
「障害年金の受給額が知りたい!」
一般的な透析治療は、週に3日程度医療機関に通院し、1回4時間程度の治療を行います。そのため、体調の変化や時間の制限などから、健康な時と同じように働くことは難しいと言えるでしょう。
また、人工透析治療にかかる医療費は、健康保険を使用した自己負担額でも月額おおよそ12万円がかかります。このことは、仕事を制限しなければいけない患者さんにとって、大きな負担となります。
今回は、透析患者が受給できる障害年金や、障害手帳の交付で受けられる福祉サービスを解説します。
障害年金とは、原則として20歳から64歳までに初診日がある病気や、事故が原因で障害を負った人に対して、国から年金が給付される制度のことです。
基本的な給付条件には、病気や事故が原因で、日常生活や仕事に支障をきたしている人が対象になります。
人工透析患者は、原則として障害年金2級の受給が可能です。
なお、慢性腎臓病に関わる主要症状、検査結果、日常生活状況などにより、さらに上位等級に認定されることもあります。ですが、昭和61年3月以前に障害年金の受給権が発生する方は、医師の判断のもと人工透析を行っている場合であっても、障害年金3級での認定となります。
また、受給額に関しては、障害基礎年金の場合と障害厚生年金の場合で異なります。
透析患者が受給できる障害年金には、下記の3つがあります。
なお、加入している年金の種類によって、受給できる条件が異なるため注意しましょう。
障害基礎年金は、自営業や専業主婦、会社員および無職といった職種に関わらず、全国民が加入している国民年金から支給されます。
受給するためには、障害の原因となる病気やケガの初診日が必要です。障害年金の申請が受理されて、障害等級が1級もしくは2級の場合には、日本年金機構から障害基礎年金を受け取れます。
障害年金の支給額は、2級は780,100円、1級は(780,100円×1.25)円です。
なお、18歳以下の子どもを扶養している場合、もしくは子どもが20歳未満で障害等級が2級および1級の場合には、第1子・第2子は各224,500円、第3子以降は74,800円がプラスで支給されます。
厚生年金に加入している透析患者で、以下のいずれかの条件を満たしている方は、障害等級2級または1級の障害年金の給付対象になります。
支給額は、2級が(報酬比例の年金額)+〔配偶者の加給年金額(224,500円)〕、1級が(報酬比例の年金額)×1.25+〔配偶者の加給年金額(224,500円)〕となります。
共済年金に加入している透析患者で、以下のいずれかの条件を満たしている方は、障害年金の給付対象になります。
上記に該当すると、障害基礎年金に加えて、障害共済年金を受給できます。
なお、障害共済年金の支給額は、厚生年金相当額+職域加算額+加給年金額224,300円です。
障害基礎年金の場合は年額795,000円、障害厚生年金の場合は報酬比例の年金額にプラスして、配偶者の加給年金額が受給できます。
人工透析を受けている方は、障害年金の受給対象者となり得ますが、一定の条件を満たす必要があります。条件のなかには、「初診日よりも前に、一定期間年金保険料を納付していること」や、「初診日の証明」などがあります。
多くの証明が必要になりますが、障害年金の申請を行うと、最低でも年間約77万の年金を受給できます。
あらかじめ障害者手帳4級を交付されていて、腎移植を受けることが確定していれば、自立支援医療を申請できます。入院中に自立支援医療の申請が通れば、腎移植の手術費用や入院の医療費の助成を受けることが可能です。
また、障害者手帳を持っていない方でも、腎移植を受けることが確定していれば、障害者手帳と自立支援医療の申請を同時に行えます。
移植した月の医療費の自己負担額は、健康保険を適用した上で自立支援医療を利用すると、ほとんどのケースで2万円以下になります。
障害の認定や障害者手帳の交付は、市区町村ごとに行われています。そのため、自治体によって障害者手帳のデザインや色が異なり、住民票のある自治体以外の場所で障害者手帳を提示しても、すぐには分かってもらえないこともあります。
他の都道府県で交通費の割引といった福祉サービスを受ける際には、表紙だけでなく、所持者の氏名や障害の等級が記載されている中面も見せるようにするといいでしょう。
所得税や住民税などの税金は、障害者特別控除額を引いた所得金額を元に計算されます。障害者控除として27万円(特別障害者のときは40万円)が所得金額から差し引かれます。
相続税では、85歳に到達するまでの年数1年につき、10万円(特別障害者のときは20万円)が障害者控除として差し引かれます。
また、生活費に充てるために、財産信託があったときは障害の等級によりますが、特別障害者である特定障害者の方は6,000万円まで、特別障害者以外の特定障害者の方については3,000万円まで贈与税がかかりません。
さらに、自動車税や自動車取得税の減免もあります。
第1級障害に認定されると、医療費の助成が受けられるようになります。
そのため、 健康保険による自己負担分の医療費が、透析治療に関わらずすべて無料になるケースもあります。
また、医療機関から発行された処方箋を薬局に提出した際にも、窓口負担金は発生しません。そのほか、車椅子・義肢・装具といった福祉機器も、一部助成が受けられます。
ですが、医療費の助成は、国ではなく地方自治体によって行われているため、自治体によっては、医療費の助成に年齢制限や所得制限を設けている場合もあります。医療機関を受診する際には、医療費の助成が可能か住民票のある市区町村に確認しましょう。
減免の対象となる障害の範囲、対象となる自動車が決められていますが、自動車税の減免申請を行えます。さらに、駐車近所外標識の交付も受けられるため、車の外から見えるところに提示しておくと、駐車禁止指定場所に自動車を駐めておいても駐車違反に問われません。
公共交通機関の利用では、JRが障害者本人だけではなく、介助を行う同行者についても運賃割引を導入しています。そのほかの私鉄各社や民営バス会社が、障害者割引を適用していることがほとんどです。
タクシーも通院の際に使用されることが多いため、割引券を発行している自治体が数多くあります。タクシー会社によっては、割引券がなくても障害者手帳を提示するだけで、料金割引を行うところもあります。
また、高速道路や有料道路の通行料も割引となります。
公共料金に関しては、水道料金が割引対象です。
自治体によって割引の内容が異なるため、障害者手帳を発行した自治体に確認する必要があります。
東京ネフロクリニックは、2023年4月に最先端技術である「電解水透析システム」を導入。従来の透析治療では除去が困難であった活性酸素を除去し、自覚症状と合併症が改善される注目の治療方法です。
公式サイト | https://tokyo-nephro-clinic.com/index.php |
透析可能時間 | 8:30~23:30 |
休診日 | 日曜日 |
住所 | 東京都豊島区駒込3-3-19 ORCHID PLACE 7階・8階 |
電話番号 | 03-3949-5801 |
アクセス | JR山手線「駒込駅」北口、東京メトロ南北線「駒込駅」5番出口すぐ |
患者さんに安全性の高い透析治療を提供するために、臨床工学技士が定期的に透析液の水質を検査。安定した水素濃度と安心な「ウルトラピュア」の状態を維持しています。
専門医による腎移植など、幅広い治療に対応できる体制も特徴の1つです。
加えて、JR山手線「駒込駅」北口からおおよそ徒歩2分と、高い利便性もあります。また、体力が低下しやすい患者さんに向けて、無料の送迎サービスも実施しています。
電解水透析に対する疑問や、治療に興味がある方は、お気軽に東京ネフロクリニックにご連絡ください。