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電解水透析の安全性について

電解水透析の開発の歴史を簡単に振り返ってみます。1990年代に電気分解した還元水(電解水素水)が実験的に活性酸素種を除去することが既に知られていました。当時から血液透析では透析の度に活性酸素種が血液中に増加することが臨床上の課題となっていましたので、電解水素水の血液透析への応用が期待されていました。2003年に台湾のグループが初めて透析患者に電解水透析を1ヶ月間行い、その安全性や炎症反応の抑制効果などが報告されました。国内では2007年に東北大学の中山先生らが電解水透析は通常の透析よりも抗酸化能が有意に高いことなどを報告しました。これにより、電解水素水の透析液で活性酸素種を除去するという理論的根拠が明確になり、臨床応用が加速しました。2010年に国内で電解水透析の安全性を調べる臨床試験の結果が発表されました。21名の透析患者に対して電解水透析が6ヶ月間行われ、臨床上の有害な兆候や症状は観察されなかったという結果でした。その後、電解水透析システムの技術開発が進み、現在は高効率で安定した水素水を提供する最新型(第三世代)の電解水透析システム(日本トリム)が販売されています。電解水透析は既に全国33施設で導入されていますが、今だに有害事象の報告はありません。

電解水素水は飲料水としても体に良いことがわかっています。特に胃腸症状の改善に効果があり、毎日お飲みいただけます。腸の発達が未成熟な赤ちゃんのミルクづくりや薬の内服にも最適と言われています。理化学研究所からの論文発表では、日常的に電解水素水を飲んでいる方は飲んでいない方に比べて酸化ストレスが低かったという結果でした。さらに興味深いのは、腎機能の指標である尿素窒素の値も日常的飲用者の方が有意に低かったという結果です。ただし、腎不全の患者さんが電解水素水を飲めば腎機能が改善するというわけではありません。飲用の電解水素水が血中の尿毒素を低下させる可能性もありますが、今後の研究が待たれます。いずれにしても、飲用の電解水素水が健常者の安全性に問題がないことは電解水透析よりもかなり前に証明されています。

先日、当院で導入した電解水透析システムの水素濃度を測るために、一部の水をコップに採取しました。水面をよく見るとすごく小さな泡が見えましたが、それが水素ですと日本トリムの担当者さんに教えてもらいました。ついでに、「この電解水素水は飲んでもいいの?」と尋ねたところ、「飲まない方がいいです」と言われました。透析液のために必要な水は逆浸透膜(RO)を用いて作られていますので、飲めば体に必要なイオンや金属、ミネラルなどが体から溶け出してしまうからとのことでした。RO水の味は旨味がなく、美味しくないそうです。そう言えば、あるラーメン屋のカウンターに「当店の水は飲み水にもRO水を使用しています」と書かれていたのを思い出しました。お店はRO水にミネラルやイオンなどを補充して提供しているのでしょうか?知っている方がいましたら教えて下さい。

院長

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