東京ネフロブログ
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頻尿は年寄りの症状と思う方も多いと思いますが、10代や20代の若い方にもいます。特に若い男性に多い頻尿が心因性頻尿と呼ばれるものです。高齢者と違って、夜間睡眠中はトイレにほとんど行かないのですが、昼間は2,3時間おきに排尿します。ひどい人は1時間持たない人もいます。頻尿を来す他の病気と異なり、心因性頻尿は膀胱や尿道に異常がありませんから、尿検査をしても異常がありません。なぜか、3月から4月の春頃に来院する人が多いのです。
末梢神経には運動神経と自律神経があります。前者は自分の意識でコントロールできる神経で、後者はそれができない神経です。排尿には運動神経と自律神経の両方が関わっていて、正常の方の排尿は両者のバランスが取れています。若い人は自律神経が乱れやすいと言われますが、自律神経を鍛えることはなかなかできません。一方、運動神経は運動することである程度鍛えることができます。私の臨床経験では、心因性頻尿の方は明らかに運動不足の方が多いです。コロナの影響で外出が減り、家にずっといた方などが外出し始めると頻尿になったりします。人は元来、昼間に活動して、夜は眠る動物です。昼間ずっと家にいて居眠りなどもしたりしていると運動神経は衰えて、自律神経とのバランスが崩れてくるのではないかと思います。しっかり運動されているのにも関わらず頻尿を訴える方もいますが、この場合は多飲や何らかの心理的なストレスを抱えていることが多いです。
朝は起床して、太陽を浴びて、歩きましょう。そういう当たり前の生活の繰り返しが頻尿を治してくれます。膀胱を強制的に弛緩する薬など頻尿を治す薬はいろいろありますが、私は安易に処方しません。あくまでも緊急避難的なもの、補助的なものと考えています。
心因性頻尿はなぜか春に多いという話をしましたが、春は卒業、入学、入職、転勤など生活環境が大きく変わる時期です。生活環境の変化がストレスを生じ、頻尿になることも多いです。ただし、その場合も運動は大切です。軽く汗をかくぐらいの運動を続けていると、いつの間にか頻尿の事を忘れていたなんてことが多いのです。「健全なる精神は健全なる身体に宿る」ということわざは本当なんですよね。
最近は心因性頻尿の方もだいぶ減ってきましたが、以前、大学の入学時期を海外に合わせて9月に変更するという話がありました。9月入学になれば、心因性頻尿で来院する患者さんも秋ぐらいに変わるのかもしれませんね。
院長