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古道を訪ねて

2ヶ月ほど前に、疎開先だった信州の友達に誘われ、半世紀ぶりに昭和20年から小学生まで過ごした曾祖父の家を訪れました。当時と家並みは変わっていましたが、野山は当時のままで友達と駆け巡ったことなど、思い出話に花が咲きました。

長老の話によると、現在の車社会になるまでは家と家とのいわゆる「家道」があり、産業の発達とともに馬や荷車が通れるように広くなったそうです。「家道」には子供たちが学校に通ったり、近隣の村々へ通じる近道には川を渡るための丸太橋もあったそうです。時代が変わり、こうした危険で不便な道は取り残され廃道となり幻の道となりつつありますが、現在は古道として、ちょっとしたブームになっているそうです。

長老の話を伺い、太古の昔から先人たちが歩いた古道を歩きたくなり、往時をしのぶ散策に出かけました。歩く途中には石仏などがあちらこちらに見られ、信仰の道でもあったのでしょうか。季節は5月、農家の屋根には「菖蒲とよもぎ」がおかれ、これらは香が強く、魔除け・無病息災を祈る風習だそうです。また、立身出世を願う鯉のぼりも泳ぎ、都会では見られない風景に感激しました。休憩所には柏餅と思いきや(ちまき)が出され、言われを伺うと、柏餅は江戸時代になってからであり、当家はそれ以前からの伝統であった粽をふるまっているとのことでした。四季のある豊かな自然、大切に受け継がれてきた食べ物、行事、しきたりなどは大きな魅力であり、先人たちが育んできた「こころ」もしっかりと息づいていると感じる古道の散策でした。

今回の旅を通して、昔からの自然と文化の魅力を私たち自身が見直し、学び直し、それらを後世の人たちに伝えていかねばならないと感じました。当院に通われている患者様と四季の豊かな自然を何らかの形で共有でき、分かち合えたらいいなあと思いました。

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