東京ネフロブログ
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東京では先日数年振りの大雪が降り、寒い日が続いていますね。冬になり、気温と湿度の低下に伴って感染症が増加する時期になりました。
冬の感染症と言えば、インフルエンザを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?去年はコロナ禍後だったため例外的に一年を通して流行していましたが、やはり現在も感染する方が増えています。
また、去年5類感染症になった新型コロナも更に型を変えて現在も緩やかに感染者数を増やしています。
透析を行っている患者さんにとって、感染症は忌避したい事柄の一つです。日本透析医学会の統計調査では、透析患者さんの死因で感染症が毎年上位にランクインしています。これは透析患者さんが健常な人と比べて免疫力が低いためですが、何故免疫力が下がってしまっているのか。
まず、透析を行っている患者さんは腎臓の機能が低下している状態にあります。本来なら尿と一緒に身体の外へ出なければならない毒素(尿毒素)が排出できず、身体に溜まってしまっているのです。その身体に溜まった尿毒素や貧血、栄養不足などの様々な要因が重なることによって、体内の免疫力が下がってしまうのです。
さて、ここまでは透析患者さんが感染症にかかりやすいことについて説明しました。次に最初に出たインフルエンザ(特に季節性のもの)と新型コロナについての話です。
インフルエンザはご存じの通り、インフルエンザウイルスに感染することによって発症します。A型、B型など複数の型があり、その年によって流行する種類が異なります。また、症状にも違いが出てきますが今回は解りやすくA型の症状をピックアップします。
潜伏期間は1~5日で、38.0℃以上の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛などが比較的急速に表れるのが特徴です。併せて他の風邪と同様に喉の痛み、鼻汁、咳なども見られます。
新型コロナも複数の型があり、その時期によって流行が変わっています。現在の主流はJN.1株と言われており以前に大流行したオミクロン系統の型だそうです。
潜伏期間は約3日(2~5日)程度で、発熱または悪寒・咳・息切れや呼吸困難・頭痛・筋肉痛や身体の痛み・味覚や嗅覚障害・喉の痛み・鼻詰まり・下痢・嘔気嘔吐など症状は多岐に渡ります。
現在、インフルエンザも新型コロナも明確な出勤停止や外出自粛を促す法律はありません。一般的な会社や私が過去にいた病院では、学校保健安全法に準じた対応が多く使われていましたので参考に記載します。
インフルエンザ
発症した後5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで。
新型コロナ
発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで。
上記から解る様に経過日数が重要視されており、解熱し症状が軽くなった状態であっても更に1、2日の期間が設けられています。これは症状が落ち着いていても排菌(他者へ移すリスク)があるためです。
インフルエンザや新型コロナの薬は種類も豊富で、一度の薬投与で症状が治まる方も多く見られます。症状がなくなってしまえば、完全に回復しように思われるのも無理はないかもしれません。ですが、上記に記載したように症状が落ち着いていても菌の排出は続いており、他者へ感染をうつしてしまうリスクがあります。
インフルエンザも新型コロナも、感染予防策は殆ど同じです。
ワクチンの接種・小まめな手洗い、うがい・マスクの着用・換気・適度な室温の保持・十分な休養と栄養摂取・不要な人ごみを避ける
新型コロナやインフルエンザなど罹りたくて罹っている方はいないと思いますが、同居しているご家族様からの感染など避けられないこともあると思います。
なので、もしも罹ってしまった時はご自身の治療、回復と合わせて、周りに移さないための行動をご協力お願い申し上げます。
スタッフ